迷い人さん

坐骨神経痛の症状で病院をジプシーしたおばあちゃん

坐骨神経痛のおばあちゃんとの出会い

坐骨神経痛は治りますか?」と聞いて来た、おばあちゃんの話です

 

腰から足にかけての体の裏側が、半年前から痛かったそうです

 

ビーンと響くような痛みだったので、坐骨神経痛だと容易に想像できます

 

電話で問い合わせを頂いたときに

「坐骨神経痛って、時間が掛かるんでしょう?」

という話を最初にされました

 

今までの例からすると、整体に通っても回数や期間は掛かるものです

 

なので、そのおばあちゃんにも

『そうですね、坐骨神経痛はよくなるのに時間が掛かります。』

とお伝えしておきました

 

病院でレントゲンなどの写真も撮ったそうです

 

お医者様からその自分の写真を見せてもらったときに、骨が曲がっているのは素人でも明らかに判りました

 

これは手術するしかないと、お医者さまから説明を受けたそうです

 

 

ここ半年間は毎日どの体勢になっても痛くて痛くてどうしようもなくて、そのおばあちゃんも手術してこの痛みが無くなるのならと手術するつもりでいました

 

そんな時おばあちゃんが「痛い痛い。」と言っているのを親戚の方が聞いて、当院の存在を教えてくれました

 

手術する前にダメ元で整体を受けてみよう。これでダメなら諦めよう

 

そこまでおばあちゃんは追い込まれていました

 

おばあちゃん来院

電話で話してくれた内容を、同じようにまた話してくれました

 

「坐骨神経痛は治るんですか?時間が掛かるんでしょう?坐骨神経痛の人って、よく来ますか?」

と矢継ぎ早に言葉が出てきました

 

 

今までの経験から正直に話しました

『やってみないと分かりませんが、回数は掛かると思います。』

と・・・

 

後期高齢者のおばあちゃんが、保険証の効かない実費治療の整体に通うとなると費用の心配も出て来ます

 

なので、こちらとしてもなるべく早く回復できるように最善を尽くす所存ではいます

 

 

もちろん、おばあちゃんの期待に応えたいですし、お役に立ちたい

ですが一人一人の体や症状も違うので、回復の仕方には個人差があります

 

その点をよくご理解頂いた上で、施術をさせてもらいました

 

ふたを開けてみたら・・・

最初の問診が終わり、このおばあちゃんの状況がよく解かりました

 

まず、普通に椅子に腰掛けて、長い時間を座っていることが出来ませんでした

 

それならと、畳に座布団を出して座ってもらいました

 

少し座るのが楽になったようですが、しばらく経てばまた態勢を変えなければなりません

 

そうしたら今度は横に寝てもらいました

 

仰向けもうつ伏せも痛くてダメでしたが、唯一楽にいれるのが横向きで寝ることでした

 

最近はこの態勢で寝ているそうです

 

でも、寝返りをするときにはツラい痛みが出ます

 

こういう状態では、誰が診ても重症だと思うでしょう

 

坐骨神経痛の場合には普通に整体もするのですが、少し違った手技を取り入れています

 

痛みの軽減具合を見て、それも微妙に変化させるのですが・・・

 

とりあえず横向きでしたので、やれることも限られてきます

 

少しでも楽な方向に改善がみられて、普通に寝ることが出来たら・・・

 

今日の段階では、それぐらいでも御の字でした

 

ひょっとすると

横向きになりながらも固い部分はほぐしてあげて、状態を確認しました

 

すると、意外と寝返りの方向転換がさっきよりも楽に出来たので

 

もしや!?と思いました

 

全身を確認している間に、ある程度の痛みが半減していたのです

 

ひょっとすると、これは坐骨神経痛ではないのかもしれないと思いました

 

坐骨神経痛なら半年間も痛い状況が続けば、こんなに早くに改善するのはあまり例がないからです

 

神経痛ですから、少しづつよくなるパターンがほとんどです

 

このおばあちゃんは坐骨神経痛だと言っていましたが、実際は腰が曲がったことに起因するところの痛みだったのだと思います

 

実際に坐骨神経も痛かったのかもしれません

 

ですが、その坐骨神経をどうこうするよりも他の原因となっている箇所にアプローチした方が改善は早かったのです

 

神経痛よりも筋肉や筋(すじ)や関節が痛んでいる方が要因としては大きいかと思いました

 

なので坐骨神経へのアプローチではなく、普通に整体をするオーソドックスな手法でよかったのです

20分くらいで全身に手当てをして状態を確認することにしました

 

『では、ゆっくり立ってみましょうか?』

とおばあちゃんに声を掛けました

 

おばあちゃんがゆっくり立ち上がると、とくに痛みもなく立てました

 

半年も苦しんできた痛みが出ないので、安心した様子でした

 

さらに、少し動いてもらいました

 

まだ腰は少し曲がっているものの、体はかなり楽に使えるようになりました

 

通常の生活なら、これでなんとか出来そうでした

 

これなら改善の余地はあると思ったので、数日後にまた施術を受けてもらうことにしました

 

再度こられたときに普段の生活は普通に出来たかどうか聞いてみたら以前に比べれば、格段に動けるようになったそうです

 

数日おきに施術をしてみましたが、少しづつよくなっていました

 

動きもギクシャクした状態から、しなやかに動けて歩いています

 

(効果には個人差があります) 

おばあちゃんが手術をしたくない理由

おばあちゃんは、もう腰を手術するのは覚悟を決めていましたが、今回手術しなくなったのが何より嬉しかったったそうです

 

一回入院すれば、何日間かは病院での生活です

 

リハビリをして退院したとしても、体力の回復には時間が掛かります

 

家に帰れば、食事の支度や掃除などの家事が待っています

 

すぐに家族のお世話をしなければなりません

 

実際に夫の介護が始まっているそうで、身の回りのお世話をしていますから家を空けられないのです

 

今回の痛みを作った元々の原因

そういえば、大事なことをおばあちゃんが話されていました

 

今回の痛みが始まったのは、昨年の12月の暮れも押し迫った日でした

 

夫であるおじいちゃんを、病院に連れて行った日です

 

その日は気温が下がり、すごく寒い日でした

 

いつもの病院に連れて行ったら駐車場が混んでいて、車を入口から一番遠いところの端っこに停めることになりました

 

距離も長く、寒い中を歩くことになります

 

で、そっちの方は川が流れているのです

 

川風という冷たい風が吹き抜けて、おばあちゃんの体を直撃していたのでしょう

 

さらに気温も下がっていますから、いつもの寒さとは違います

 

冷たい川風が体に当たり、体を芯から冷やして筋肉や神経を刺激したことが想像できました

 

それからというもの、腰から足に掛けてが痛くなり始めたそうなんです

 

それが始まって半年間、痛くて辛い日々が続きました

 

夫の介護や家の家事、用足しや買い物、痛みながらも頑張って続けました

 

思うように体が動かなくなれば、他の家族に迷惑が掛かります

 

それらを考えただけでも知恵熱が出て、血圧も上がってしまうくらいモヤモヤしていたそうです

 

そんな余計な心配をすることが無くなっただけでも嬉しくて、ほんと喜んでくれました

 

冷静にあらゆる可能性も考えて

坐骨神経痛だからと言って坐骨神経にばかりアプローチしても、こうはならなかったと思います

 

骨盤から太ももの裏に湿布をしても、さほど変わらないわけです

 

このおばあちゃんも、ツラい痛みを何とかしたいと湿布もやったそうです

 

こういうときは、どんな方法を使ってでも早くよくなりたいと必死です

 

それは間違いではなく、人として当たり前のことだと思います

 

人からの情報(口コミ)や昔からの言い伝えの中には有効な知恵も多くあると思いますが、時間が掛かって遠回りになることもあるでしょう

 

少しでも早くよくしてあげたい、体に余計な負担を掛けて欲しくないと思って、今回の施術をさせて頂きました

 

お客様の声を聞いて状態や状況を把握することは、大事なことです

 

こちらとしては先入観を持たずにあらゆる角度から物事を見れる目が必要だと痛感しました

 

このような例は、整体院をやっておりますと多々あります

 

固定概念や今までの常識など一度よく確認して、言葉は悪いですがそれを疑ってみるのもありかと思います

 

お客様も、施術者としての私もです

 

このおばあちゃんの例が、参考になれば幸いです